ジャスティ・カナ

ジャスティ・カナの勝利

グルーンを失ったシュナイツァーが、怒りの咆哮をあげる。体が言うことを聞かなくなるほどの恐ろしい憎悪のオーラも、今のジャスティ・カナを凍り付かせるほどの効果はなかった。

シュナイツァーの目に留まらぬほどの速さで、ジャスティ・カナは手刀を閃かせた。シュナイツァーは全く反応できないまま、体だけがのけぞり怨嗟の悲鳴を上げるのがやっとの状態だった。

ジャスティ・カナの猛攻に驚愕の表情を浮かべるシュナイツァー。「こんなはずはない…」シュナイツァーの脳裏には否定の言葉しか浮かんでこない。

しかし、ジャスティ・カナにしてみれば、そんなシュナイツァーの揺らいだ自信に同情の配慮をする必要は全くない。間髪入れず、回転蹴りをお見舞いした。シュナイツァーは華麗に宙を舞って体を自尊心と共に地に落とした。

ジャスティ・カナは必殺のスレイブビームを放った。シュナイツァーは認めたくなかった。しかし、現実では、勝利の女神が完全にシュナイツァーに滅亡のプラカードを掲げているようだ。

シュナイツァーは糸が切れたマリオネットのように地に崩れ落ちると、スレイブビームのエネルギーを拡散して大爆発をおこした。まるでジャスティ・カナの勝利を祝う花火のように…

ジャスティ・カナの勝利に歓声を上げる子供たち。ジャスティ・カナも、子供たちの声援に力をもらって掴んだ勝利を喜んだ。「やっぱり地球が好き」ジャスティ・カナは決して勝利に奢らず、この気持ちを胸一杯に抱きかかえてその場を後にしたのだった…

香澄の姿に戻ったジャスティ・カナは、駆け寄る子供たちを優しく出迎えた。その場に一緒にいた朔也も駆け寄る。先生が近くにいたことに気がつかなかったことを悔やんだが、とりあえず無事でいたことにほっと胸をなで下ろす。

そんな朔也の気持ちも知らない香澄だが、ジャスティ・カナでの戦いで、朔也の言葉にも勇気づけられたことを思うと、朔也の存在というものがすこしづつ変わってきているという意識はあった。

そんな二人の気持ちをかき消すように、子供たちの笑い声が二人を包んでいった…

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グルーンの最後

再び、シュナイツァーたちの前に立ちはだかるジャスティ・カナ。子供たちの声援を背に、勇気をもらった今のジャスティ・カナに迷いはない！

グルーンは、トールハンマーを振りかざして突進してくる。それを見たジャスティ・カナは、大きくジャンプすると、雷を纏ったトールハンマーをためらうことなく蹴りつけるた。押し戻される形となったトールハンマーが突進してくるグルーンの顔面に叩きつけられた。不気味な悲鳴をもらしてもんどり打つグルーン。

シュナイツァーが持つアルテマールから、また魔光線が放たれる。それを察したジャスティ・カナは、すぐさま、グルーンを蹴り上げ、迫り来る魔光線の楯になる形で蹴り飛ばした。勢い余って、シュナイツァーまで巻き込んで倒れ込むグルーン。トールハンマーの雷に続き、アルテマールから放たれた魔光線まで浴びせられたグルーン。さすがに大ダメージを受けたようだ。

間髪入れず、ジャスティ・カナはとどめの一撃を入れるべく、身構える。ジャスティ・カナ最強の攻撃ガーディアン・フォース、「ファイナルウェイブ」を放つ。強固なボディーが自慢だったグルーンであったが、ファイナルウェイブの威力にはひとたまりもなかった。一瞬にして大爆発をおこして大気の塵となった。驚愕するシュナイツァー…

救出

絶望に打ちひしがれていた子供たちだが、ジャスティ・カナの救出を聞いて歓声を上げた。これで、また宇宙獣人たちをやっつけるチャンスが来るかも知れない！

子供たちが避難し、朔也が合図を送る。地球防衛軍のガル・イーグルから「スマートボム」と呼ばれるミサイルが落とされた。スマートボムは、ジャスティ・カナが串刺しにされている道路の近くを爆破した。

うまく、ジャスティ・カナを救出することに成功したようだ。

ジャスティ・カナのもとに再び駆け寄る子供たち。

ジャスティ・カナを救出することに成功したが、ジャスティ・カナはまだ気を失ったままだ。そうしている間にも、地球防衛軍の旗色は悪くなりつつあった。やはり、暗黒宇宙魔術使いの宇宙獣人相手では分が悪いのだ。

何とか意識を取り戻したジャスティ・カナ。子供たちは安堵の表情を浮かべたが、やはりジャスティ・カナに頑張ってもらいたい…

声援を送るが、ジャスティ・カナはらしくない弱音を吐いている…

でも、子供たちは知っていた。ジャスティ・カナは、こんなことで挫けるような弱い女性ではないことを…

そして子供たちは、ジャスティ・カナの勝利を信じて疑わない！　この子供たちの気持ちに答えられないほど、やはりジャスティ・カナは弱くないのだ！

大好きな地球を守りたいと言う気持ちは、決して宇宙獣人どもの悪の力に屈しないのだ！

ジャスティ・カナは、子供たちの声援に応えるべく、最後の力を振り絞って、シュナイツァーたちのいる戦場に飛び込んでいった…

絶望

すでに意識を失っているジャスティ・カナを、さらに辱めるシュナイツァー。あらわになった股間を杖の先でコンコンと小突いて嘲笑を浴びせる。シュナイツァーによって笑いものにされるジャスティ・カナだが、子供たちは決して笑いはしなかった。むしろ絶望の陰りが顔にのしかかっている…

ジャスティ・カナに興味を失ったのか、シュナイツァーとグルーンはその場を立ち去り、攻撃の的を地球防衛軍に切り替えた。子供たちがジャスティ・カナに必死に呼びかけるが、ジャスティ・カナは全く動く気配がない。ますます、少年たちの顔に絶望の色が滲みだした。

地球防衛軍の隊員たちがやりとりをしながらシュナイツァーたちを攻撃する。しかし、地球防衛軍の攻撃が通用しないのは先刻実証済みだ。

でも、諦めるわけにはいかない！

そう、彼らの今の任務は、とにかくジャスティ・カナを救う為の時間稼ぎなのだ。

しかし、それも長くは続かない…　次第に1機、また1機と撃墜されてしまう…

ジャスティ・カナのもとに、地球防衛軍の朔也がやって来た。子供たちは、今にも泣き出しそうな表情で迎える。子供たちは、ジャスティ・カナが死んでしまったのではないかと心配しているのだ…

ジャスティ・カナ敗北!?

珍しく、グルーンがなにか言いたげな眼差しを向けていた。どうやらグルーンもジャスティ・カナをいたぶって遊びたいらしい。普段はシュナイツァーの命令でのみで動いていたグルーンが、自分から主張するのは珍しく、シュナイツァーもご機嫌で荷担を許可した。

ジャスティ・カナは絶望と戦慄が入り交じった悲痛な叫び声をを上げる。

力任せに足を引っ張られ、大股開きの状態でトールハンマーの雷と、アルテマールから放たれる魔光線を浴びるジャスティ・カナ。あまりもの苦痛に、ジャスティ・カナの精神は崩壊の一途をたどっている…

シュナイツァーの挑発は、ジャスティ・カナをさらに苦しめるスパイスとなった。ダブルでの攻撃に、ジャスティ・カナはもう耐えることが出来ないほどの傷を負ってしまっている。

そしてついに、ジャスティ・カナは降参の台詞を口にしてしまった…

しかし、卑怯にも、シュナイツァーは攻撃をやめようとはしなかった。はなから約束を守る気などなかったのだ。憤慨する子供たち。しかし、ジャスティ・カナを救う術はない…

永遠と思われるほどの攻撃を受け続けるジャスティ・カナ。

もはや限界を超えてしまっていたジャスティ・カナは、ついに意識が飛んでしまい、完全に動けない状態に…

その様子を見て爆笑するシュナイツァーとグルーン。

意識を失ってしまったジャスティ・カナ、このまま敗北してしまうのか…